Altered Scaleの使い方【TAB,PDF】

ども。ベーシストのハリマです。
今回は僕がHadrien FeraudやDario Deiddaをコピーして覚えた、Altered Scaleの使い方を解説していきます。
どういったタイミングで使えるか、スケールの覚え方をリックや実例、ちょっとしたコツも交えて解説していきます。
Altered ScaleとLydian♭7 Scale
まずAltered Scaleを学ぶにあたって、同時にリディアン♭7スケールも重要になってきますので同時に見ていきましょう。
そして重要なポイントとして、Altered Scaleの♯11を主音とするとLydian♭7 Scaleになります。
つまり
GAltered Scale = D♭Lydian♭7 Scale
となります。
これ超重要です。なんとなくでいいので頭の片隅に置いててください。

全く同じになってますね!
まずAltered Scaleはいつ使えるのか
な〜んかややこしいスケールなんは分かったけど、こんな訳分からん響きのスケールどこで使うねん...って感じやと思います。
僕もそうでした。
ということでAltered Scaleがどういったコードの時に使えるか解説します。
端的に言うとドミナントモーションをしてる時に使えます。
■基本的にはマイナーに解決する時のセカンダリードミナント上
Ⅴ7→Ⅰm7
■メジャーに解決するドミナントセブンス上も使ってもOK。これも良いサウンドになります。
Ⅴ7→ⅠMaj7
■セブンスコードに向かうセブンスコード(ダブルドミナント)でもOK!
Ⅴ7→Ⅰ7
■裏コード上でも使えます。
♭Ⅱ→ⅠMaj7
※ただしマイナーに向かう場合は(基本的には)使えません。
✖️♭Ⅱ→Ⅰm7
Ⅴ7の場合
シンプルに指板上で考えてみましょう。
赤丸○のセブンスコードから青丸○をルートとした何かしらのコードに解決するときに、赤丸○を主音としたAltered Scaleが使えます。

完全4度上(完全5度下)に向かうセブンスコードを見つけたらチャンスです。
慣れるまでは無心でオルタードフレーズをブチ込みましょう。笑
♭Ⅱ7の場合
Ⅴ7の代理コードである♭Ⅱ7上でも使えます。
裏コードというやつですね。厨二心に響く...
♭Ⅱ7→ⅠMaj7のメジャーに解決する動きをしている時にAltered Scaleが使えます。
Key=Cの場合
D♭7→CMaj7のD♭7上でD♭Altered Scaleが使えます。

でここで注意。
♭Ⅱ7→Ⅰm7
のようなマイナーに解決する裏コードの場合Altered Scaleは基本使いません。
Lydian♭7 Scale
ここで登場するのがLydian♭7 Scale。
先ほどの♭Ⅱ7→Ⅰm7はAltered Scaleは使えませんが代わりにLydian♭7 Scaleが使えます。
まず前提として基本的にLydian♭7 Scaleはマイナーに解決するⅤ7上で使用してもあまりうまくサウンドしません。
基本はメジャーに解決する場合のみ使えると覚えておきましょう。(あえてアウト感を表現するのには大いにアリ!でもなんとなくで使ってしまうと微妙になりやすいです。)
要は解決先がメジャーかマイナーか把握しておく事が大事です。
◯ Ⅴ7→ⅠMaj7
◯ Ⅴ7→Ⅰ7
✖️ Ⅴ7→Ⅰm7
さて、♭Ⅱ7→Ⅰm7の時になぜAltered Scaleが使えなかったのか、の話に戻ります。
ここで最初にあったG Altered ScaleとD♭ Lydian♭7 Scaleが全く同じ音になる、とあったのを思い出して欲しいです。
例えば
D♭7(♭Ⅱ7)→Cm7(Ⅰm7)の時にD♭ Altered Scaleを使うと=G Lydian♭7 Scaleになってしまいます。
裏コードであるD♭7(♭Ⅱ7)の元のコードである表のG7(Ⅴ7) 。そのマイナーに向かうG7(Ⅴ7)でG Lydian♭7 Scaleを使ったことと同様になり、イマイチな感じになっちゃいます。
まとめると...
Ⅴ7→Ⅰの時
■Ⅴ7→ⅠMaj7 or Ⅰ7
・Alered Scale
・Lydian♭7 Scale
■Ⅴ7→Ⅰm7
・Alered Scale
♭Ⅱ7→Ⅰの時
■♭Ⅱ7→ⅠMaj7 or Ⅰ7
・Alered Scale
・Lydian♭7 Scale
■♭Ⅱ7→Ⅰm7
・Lydian♭7 Scale
となります。いや〜ちょっとややこしいですよね。
できれば覚えたくはないし、アドリブ中にここまで脳のリソースを割く余裕もない。
ここで僕なりのアドリブで使うためのシンプルな考え方を紹介しておきます。
シンプルに...
僕なりのちょっとしたコツも紹介しておきます。
例えばKey=Cで
Em7 / Eb7 / Dm7 / Db7 / CMaj7
といった進行があったとします。
E♭7はDm7に向かう♭Ⅱ7
D♭はCMaj7に向かう♭Ⅱ7
になります。
こういった進行の時に先ほどのルールを思い出すと、、、思い出してるうちにもうそのコード終わってます。笑
そこでこの進行をあらかじめ裏コードを使う前、表に戻しておきます。
そうすると
Em7 / A7 / Dm7 / G7 / CMaj7
となります。
A7はDm7に向かうⅤ7
GはCMaj7に向かうⅤ7
そして
マイナーに向かう時だけLydian♭7 Scaleは使えない。
それ以外はAltered ScaleもLydian♭7 Scaleも使える。
とだけ覚えておきます。
すると
A7 Altered Scale
G7 Altered Scale / Lydian♭7 Scale
がそれぞれ使えるなというのが分かります。
Ⅴ7→Ⅰなら解決先のメジャーマイナーを気にせず、いつでもAltered Scaleが使えます。
これなら頑張れそうじゃないですか?
こういった裏コードを表の状態に戻してソロをとる、というのは僕は頻繁にやります。
こっちの方がシンプルでアイデアが湧いてきやすい。これはとある巨匠ジャズギタリストも言ってました。
ただしあくまでソロのアプローチを取る際のアイデアの一つとしてで、バッキングの時とかに無闇やたらに戻すのはよくない場合が多いかなと。
オルタードテンションから判別
オルタードテンションとは9th,11th,13thそれぞれのテンションに♭,♯が付いてるものを差します。
Altered(変更された)テンションという訳です。
オルタードテンションからスケールを判別する事もできますが、テンションの情報だけでスケールを探るとかなり多岐にわたりキリがないので、今回は全てAltered ScaleとLydian♭7 Scaleだけで乗り切る事として考えます。
・♭9,♯9,♭13のテンションが乗っている時は基本的にAltered Scaleが使用できます。
【例】
G7(♭9,♭13) → CMaj7
G7(♭9) → Cm7
・♯11のみテンションが乗っている場合は基本的にLydian♭7 Scaleが使用できます。
【例】
G7(♯11) → CMaj7
D♭(♯11) → CMaj7

両スケールに乗っているテンションを見比べると分かりやすいです。
♭9,♯9,♭13のテンションはAltered Scaleの特権という事です。
オルタードスケールの覚え方
オルタードスケールってペンタとかと比べて指板上での形の規則性が薄く覚えにくくないですか?
うん、どう考えてもめっちゃ覚えにくいです。
Altered Scaleはフレーズによって、他のコードやスケールを併用して補強するように覚えていくのが良いです。
【Lick 1】

例えばこちらのフレーズ。
このフレーズを弾く時にただAltered Scaleを考えるのではなく、同時にGaugコードとG♯ Merodic Minor Scaleが見えてます。

・Gaugコードは長3度ずつ重なる規則的なコードなので、無規則な並びのAltered Scaleの中に骨組みができます。個人的にはこれが特に重要です。他のフレーズの時もこれは常に見えてます。
・またG Altered ScaleはG#Melodic Minor Scaleと全く同じ音になります。この2つのスケールをイメージして補強します。
【Lick 2】

今度はB Lydian♯5 Scaleを意識したフレーズと、Gaugのフレーズが出てきます。
Lydian♯5は名前の通りLydianのp5を♯させたスケールで、Altered Scaleの主音から数えて4番目にできるスケール。
Melodic Minor Scaleで言うと3番目。

これも両方のスケールをイメージできていると扱いやすいです。
【Lick 3】

今度はE♭ Mixolydian♭13 Scaleを意識したフレーズになります。
Mixolydian♭13 ScaleはMixolydian Scaleの13を♭させたスケール、これも名前の通りですね。
Altered Scaleから数えて6番目、Melodic Minor Scaleから数えて5番目にできるスケールです。

G Altered Scaleの6番目の音の♭13スタートのフレーズを弾く時、ルートから遠いのもありG Altered Scaleの形をイメージし辛いです。
こういう時はE♭Mixolydian♭13 Scaleも併せてイメージする訳ですね。
まずは完全5度に着地するフレーズがおすすめ
というのも、完全5度に着地するフレーズであれば解決先のコードがMaj7,m7,ドミナント7であろうと関係なく着地できるからです。これらのコードはもれなくp5を含んでますからね!
さらにG7→Cのコード進行の時にG Altered Scaleを使って、またGの音に戻ってくればあら不思議。次のコードであるCの完全5度となっているのです。汎用性がとにかく高い!!

特にこれから学ぶ人はとりあえず1つ、完全5度に着地するフレーズを持っておきましょう。【Lick 1】が完全5度着地になります。
Altered Scaleはしっかり着地する事がとーーーにかく大事です。ここミスったら全てが台無しになります。
まあ汎用性でアドリブを考えるのも変ですが、インプロ中はなるべく脳のメモリを節約したいですから、そう言う意味でも1つは覚えておきたいですね。
それにアドリアンもダリオデイッダもめっちゃ使ってますしね!
(Lick1はダリオデイッダも使ってました!笑)
また完全5度に着地する、4拍目のフレーズも2つ紹介しておきます。
1~3拍目は【Lick2,3】で使ったフレーズやアイデアと組み合わせて使うのもアリ。
【Lick 4】

【Lick 5】

実際に弾いてみましょう
Feel Like Makin' Loveの最初の4小節を使ってB♭7,C7上で実際に弾いてみましょう。
【Lick2,3】は完全5度に着地できるように、【Lick4,5】にアレンジしてます。

ここで3つ紹介しましたが、とりあえずひとつ!ひとつだけで良いのでしっかりものにしましょう。
これは自戒ですが色々手を出すと大概中途半端になります。笑
他にもAltered ScaleのLickを紹介してます。
最後に
ここまでありがとうございました。
ちょっとややこしい内容ではあるものの、ペンタ一発のアドリブにAltered Scaleというスパイスを足すだけでかなり広がりが出ます。
散々「ぶち込みまくれ」みたいに書きましたが、自信の表現したいイメージでも変わってきます。
最初は練習も兼ねてたくさん使ってみて覚えるのがいいですが、なれてきたら取捨選択できるといいですよね!
またこう言うのを知っているとソリストの演奏にも寄り添えるようになってきます。
例えばソリストがG7→CMaj7の時にG Altered Scaleを弾いていたらベースラインでM2,P5を弾く場合ははそれぞれ♭させておこう!みたいな配慮ができる訳ですね。
アドリブソロを学ぶ事でベーシストとして器がデカくなるのです。単純にフィジカル強化にもなります。笑
ぜひ練習してみてください!
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Altered Scale解説
My Favorite Altered Scale Licks
Hadrien Feraud Altred Scale Lick
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