マイナーペンタを使ったベースソロの歌わせかた

ども!ベーシストのハリマです。

今回はアドリブについて興味がある人、特にアドリブでマイナーペンタトニックスケールが使える事はわかったけど、いまいちカッコよくならない...
といった方に向けた、初級者向けのマイナーペンタの歌わせかたについて3つのポイントにまとめた記事、動画になります。

今回はセッションスタンダードの中でも人気なFeel Like Makin' Loveを想定して解説していきます。
この曲はCマイナーペンタトニックスケールが使え、他にも使えるスケールやアイデアはあるものの、Cマイナーペンタトニックスケールだけでもカッコよくソロを取ることができます。

まずマイナーペンタトニックスケールについて

まずCマイナペンタトニックスケールについて確認してみましょう。
2オクターブ間の指板上のポジションになります。

よく「指板全域でスケールが見えてないとダメですよね...」なんて質問をされます。
もちろん広く見えてる方が良いのは間違いないのですが、広く見えてるから良い表現ができるのかと言ったらそんな事もなく、特にこれからアドリブを始める方は青枠だけでも十分演奏できます。
もっと言えば青枠の中のさらに赤枠だけでも色んな表現できます。

これは余談ですがスケールは広く見えているけど、かえって見えてる音を順番に弾いたり、ただただ音を並べてるだけ...となってしまうケースをちょいちょい見かけます。
これでは本末転倒、むしろ限られた音域でもちゃんと歌えることの方が何倍も大事になってくると僕は思います。
指板上でスケールが広く見える事よりも大事な事がこの後紹介する3つのポイントになります。

モチーフデベロップメント

まずモチーフデベロップメントというアイデアを紹介します。
モチーフデベロップメントとは簡単に説明すると、短いフレーズを繰り返していき発展させていく手法になります。

言葉だけでは分かりにくいので譜面を用意しました。
なんかカッコいい名前が付いてますがやる事は至ってシンプルです。

Cマイナーペンタで同じフレーズを繰り返してますね。

今度はモチーフを繰り返しながら、できた隙間にだけアドリブでフレーズを挟んでいきます。
ほぼ半分ほどがモチーフで埋まっているので、アドリブで考える部分も半分ほどに減りましたね。
これだけでもアドリブのハードルが随分と下がりませんか?
モチーフがあるおかげで、適当にマイナーペンタ弾きすぎてしまう事態も避けれますし、一定のメロディが繰り返されることでキャッチーな印象も出ます。
あえて何も挟まずにスペースを作るという選択もありますし、慣れてきたら段々とモチーフを崩していくのも効果的です。

例えばTal Wilkenfeldの有名なCause We've Ended Loversのベースソロの導入部分なんかはモチーフデベロップメントのすごく良い例ですね!

アーティキュレーション

次にアーティキュレーションについて。
アーティキュレーションとはざくっり言うと、音と音の繋ぎ方、強弱と言った音への表情の付け方になります。

例えば
・ピッキングの強弱
・ベンド
・スライドやハンマリング、プリング、レガート
といった表現方法がベースではあります。

シンプルなフレーズでもアーティキュレーションを意識するだけで、表情が全く変わってきます。
例えばこちらのシンプルなフレーズ。

これだけでは少々硬い感じがしますが、スライドやハンマリングを加えるだけでもかなり雰囲気が出ます。

マイナーペンタトニックスケール+1音

より歌うニュアンスを出すを表現するためにマイナーペンタに1音加えていきます。
まず代表的なものとしてブルーススケールがあります。
マイナーペンタトニックスケールに♭5を加えたスケールになります。

このCブルーススケールを使って先ほどのフレーズに表情を付けていきます。

譜例のように完全4度に対して一瞬♭5を引っ掛けるような使い方が特におすすめです。

こんなフレーズもよく使います。

このフレーズを音形はそのままに他のポジションで使っても美味しいです。

部分的にマイナーペンタ+m6、マイナーペンタ+9thともいえます。

マイナーペンタに+m6、9th足したりしたら結局ナチュラルマイナースケールでは?と思うかもしれませんが、ナチュラルマイナースケールよりマイナーペンタの方が音が少ない分直感で音を選択しやすいですよね。
これは即興で表現のするためによりシンプルで直感的に使えるようにした実践的なアイデアで、扱いやすいマイナーペンタに+1音(♭5,m6,9)をそれぞれスイッチして切り替えて使っていくというイメージで僕は使っています。
場合によっては選択肢が少ない方がニュアンスや表現に集中できるというわけですね。

※m2はCナチュラルマイナースケールに含まれてなく、音を伸ばすと普通にアウトするので扱いに注意が必要です。
こちらはプラスというよりかは、ルートの音を揺らすくらいの認識が良いかと思います。
でもこのフレーズもすごくカッコいい!

このStrasbourg St.Denisなんかは乱用してます。

アイデアをまとめた模範演奏

これらのアイデアをまとめると模範演奏のようなソロが取れるようになってきます。


特にこれからアドリブを始める場合の重要度で言うと、紹介順にモチーフデベロップメント、アーティキュレーション、マイナーペンタ+1音の順になるかなと思います。

最後に

ここまで見て下さってありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
僕のレッスンでもアドリブでソロを弾きたいからオルタードスケールとかなんかカッコいいスケールいっぱい教えて下さいよ!ってよく聞かれます。
しかしよくよく聞いていると、本当に弾きたい事はマイナーペンタ+αでできる事だった、っていうパターンがまぁ多いです。
特にジャズファンクやネオソウル系の曲でソロをとる場合、オルタードなどのアイデアも美味しいですが、まずはマイナーペンタでちゃんと歌えると言うのが本当に大事になってきます。
それもあって今回のような記事を作ってみました。

ぜひ練習してみて下さいね!

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